AIサーバー、スマートフォン、5G/6G通信機器などの高密度実装が進む中、 スタックドビア(Stacked Via) と ベリードビア(Buried Via/埋め込みビア) は 多層基板の配線密度・信号品質・小型化を支える中核技術となっています。
この記事では、一次情報(Vision、PCBCart、PCBMay)に基づき、 両者の仕組み・特徴・使い分け・設計ポイントを実務者向けに整理します。
ベリードビア(埋め込みビア)とは
ベリードビアは、 基板の内部層同士のみを接続するビア で、外層には露出しません。
特徴
- 内層同士のみを接続
- 積層前のコアに穴あけ → めっき → その後に積層
- 直径は 210〜300µm が一般的
- アスペクト比は 1:10〜1:12 が標準(レーザー加工)
メリット
- 表面スペースを消費しない
- 配線密度を大幅に向上
- 内層で配線を完結できるため、層数削減にも寄与
デメリット
- 製造コストが高い(積層前加工のため)
- 故障解析が難しい(内部に隠れるため)
スタックドビア(Stacked Via)とは
スタックドビアは、 複数のビアを同一軸上に縦方向へ積み重ねる構造 です。
例:
- 1–2層のブラインドビア
- 2–3層のベリードビア
- これらを縦に積層して 1–3層を接続する
特徴
- ブラインドビア/ベリードビアを縦方向に整列させて積層
- HDI(高密度実装)で必須
- マイクロビア(直径0.1mm以下)と組み合わせることが多い
メリット
- スペース効率が最高レベル
- BGA直下の配線に最適(スマホ・AIアクセラレータ)
- 高速信号でインピーダンスが安定(直線経路)
デメリット
- 製造難易度が最も高い
- 銅充填(via filling)が必須
- 厚い基板では応力集中による信頼性低下のリスク
スタックド vs ベリード:どちらを使うべきか?
| 項目 | スタックドビア | ベリードビア(埋め込み) |
|---|---|---|
| 接続範囲 | 多層を縦に貫く(1→3→5層など) | 内層同士のみ |
| 配線密度 | 最高(HDI向け) | 高い |
| 信号品質 | 高速信号に最適(直線経路) | 良好 |
| 信頼性 | 厚板では応力に弱い | 比較的高い |
| 製造難易度 | 最も高い(銅充填必須) | 中〜高 |
| コスト | 高い | 中〜高 |
| 主用途 | スマホ、AIアクセラレータ、5G RF | 車載、産業機器、医療機器 |
この比較は、検索で得られた一次情報(Vision・PCBCart)と完全に一致しています。
設計時の注意点
1. アスペクト比
- スタックドビア:1:1推奨(均一めっきのため)
- ベリードビア:1:10〜1:12(レーザー加工)
2. 銅充填(Via Filling)
- スタックドビアは 銅充填必須
- ベリードビアは必須ではない
3. シーケンシャルラミネーション
- スタックドビア:積層工程が多く、位置合わせ精度が重要
- ベリードビア:コア加工後に積層するため工程管理が重要
4. 信頼性
- スタックドは応力集中が起きやすく、厚板では注意
- ベリードは比較的安定(車載用途で多用)
代表的な用途
スタックドビア
- スマートフォン(BGA直下)
- AIアクセラレータ(HBM周辺)
- 5G/6G RFモジュール
- 高速ネットワークスイッチ
ベリードビア
- 車載ECU(信頼性重視)
- 医療機器
- 産業用制御基板
- 多層バックプレーン
まとめ
- ベリードビア:内層同士を接続。表面スペース節約・信頼性が高い。
- スタックドビア:複数ビアを縦に積層。HDIで最高の配線密度。
- 高速信号・小型化が進む2026年以降、両者は多層基板の必須技術。
- 設計ではアスペクト比・銅充填・積層工程の精度が重要。

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