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多層基板とは?構造・用途・AIサーバーで需要が伸びる理由【2026年版】

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基板のイメージ 技術コラム・業界小ネタ
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電子機器の高性能化・小型化が進む中で、 多層基板(Multilayer PCB) の需要が急速に拡大しています。

特に2025〜2026年は、 AIサーバー向け40〜60層基板の需要が爆発的に増加しており、 基板メーカー各社が増産投資を加速しています。

この記事では、多層基板の構造・用途・メリット、 そして AIサーバーで多層基板が不可欠となっている理由 を、 最新動向を交えてわかりやすく解説します。

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  1. 多層基板とは?(基本の定義)
  2. 多層基板の構造(どうやって層を増やす?)
  3. ビア構造を理解すると多層基板がよくわかる
    1. ● スルーホールビア(TH)
    2. ● ブラインドビア(BVH)
    3. ● 埋め込みビア(Buried Via)
    4. ● VIP(Via-in-Pad)
  4. 多層基板が必要とされる理由
    1. ① 高速信号のノイズ対策(GND層が必須)
    2. ② 電源層の分離(大電流対応)
    3. ③ HBM搭載GPUの高密度配線
    4. ④ EMI/EMC対策
  5. 多層基板の主な用途
    1. ● AIサーバー(GPUサーバー)
    2. ● 5G基地局・通信機器
    3. ● 自動車(ADAS・ECU)
    4. ● 産業機器・医療機器
  6. 多層基板のメリット
    1. ① 高密度配線が可能
    2. ② 高速信号に強い
    3. ③ 電源層の分離で安定動作
    4. ④ EMI/EMCに強い
  7. 多層基板のデメリット
    1. ● コストが高い
    2. ● 製造難易度が高い
    3. ● 歩留まりが低下しやすい
  8. AIサーバーで多層基板の需要が伸びる理由
    1. ① GPUの高性能化(600〜700W級)
    2. ② HBM搭載GPUの普及
    3. ③ PCIe Gen5/Gen6・CXL対応
    4. ④ データセンターの省スペース化
  9. 多層基板とリジッドフレックスの関係
    1. Q1. 多層基板は何層から“高多層”と呼ばれますか?
    2. Q2. 多層基板のコストが高い理由は?
    3. Q3. AIサーバー向け基板はなぜ40〜60層も必要?
    4. Q4. 多層基板に使われる材料は何ですか?
    5. Q5. 多層基板とリジッドフレックス基板の違いは?
    6. Q6. 多層基板の歩留まりが低いのはなぜ?
  10. まとめ
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多層基板とは?(基本の定義)

多層基板とは、銅配線層(導体層)が3層以上積み重なったプリント基板のこと。

一般的な層構成は以下の通り:

  • 4層:民生機器
  • 6〜12層:産業機器・通信機器
  • 20〜30層:高機能サーバー
  • 40〜60層:AIサーバー・HBM搭載GPU基板

特にAIサーバーでは、 40〜60層の超多層基板が標準化しつつあるのが大きな特徴です。

多層基板の構造(どうやって層を増やす?)

多層基板は、以下の材料を交互に積層して作られます。

  • 銅箔(Cu):信号層
  • プリプレグ(PP):絶縁層(ガラスクロス+樹脂)
  • コア材:中心となる硬い基板
  • ビア(層間接続):信号を上下層へつなぐ穴

特に高多層では、以下の技術が必須です:

  • ビルドアップ構造(SAP / mSAP)
  • 埋め込みビア(Buried Via)
  • VIP(Via-in-Pad)
  • 低誘電率材料(Low‑Dk/Df)
  • 高耐熱材料(Megtron 6/7/8)

ビア構造を理解すると多層基板がよくわかる

多層基板の配線密度を決めるのが ビア(Via)

文章で図解するとこうなる:

● スルーホールビア(TH)

基板を貫通する穴。最も一般的。

● ブラインドビア(BVH)

外層 → 内層へつながる穴。 高密度配線に必須。

● 埋め込みビア(Buried Via)

内層同士をつなぐ穴。外から見えない。

● VIP(Via-in-Pad)

パッド内にビアを埋め込む構造。 HBM周辺で必須の技術。

AIサーバーの多層基板は、ほぼ例外なくVIPを採用しています。

多層基板が必要とされる理由

① 高速信号のノイズ対策(GND層が必須)

PCIe Gen5(32GT/s)、Gen6(64GT/s)、CXLなどの高速信号では、 信号層とGND層を交互に配置する必要があります。

→ 結果として層数が増える。

② 電源層の分離(大電流対応)

AIサーバーのGPUは 600〜700W級。 電源層を複数確保しないと電圧降下が発生。

③ HBM搭載GPUの高密度配線

HBMは配線幅が 数十μmレベル。 物理的に多層化しないと配線が収まらない。

④ EMI/EMC対策

層数を増やすことで、 シールド層・GND層を増やしノイズ耐性を向上できる。

多層基板の主な用途

● AIサーバー(GPUサーバー)

→ 40〜60層の超多層基板が主流 → HBM搭載GPUの増加でさらに多層化

● 5G基地局・通信機器

→ 高周波対応のLow‑Dk材料が必須

● 自動車(ADAS・ECU)

→ 安全性のため多層化が進む

● 産業機器・医療機器

→ 高信頼性が求められる領域

多層基板のメリット

① 高密度配線が可能

複雑な回路を小さな面積に収められる。

② 高速信号に強い

信号層とGND層を最適配置できる。

③ 電源層の分離で安定動作

大電流・高発熱のGPUに必須。

④ EMI/EMCに強い

ノイズ対策がしやすい。

多層基板のデメリット

● コストが高い

層数が増えるほど材料費・工程数が増加。

● 製造難易度が高い

ビア形成・積層ズレ・反り対策が必須。

● 歩留まりが低下しやすい

特に40層以上は難易度が跳ね上がる。

AIサーバーで多層基板の需要が伸びる理由

2025〜2026年のAI投資拡大により、 GPUサーバーの出荷台数が急増。

その結果、 40〜60層の超多層基板の需要が爆発的に増加しています。

理由は以下の通り:

① GPUの高性能化(600〜700W級)

→ 電源層・GND層が大量に必要 → 多層化が不可避

② HBM搭載GPUの普及

HBMは配線密度が極端に高く、 多層化しないと物理的に収まらない。

③ PCIe Gen5/Gen6・CXL対応

高速信号は層間干渉を避けるため、 信号層とGND層を交互に配置する必要がある。

④ データセンターの省スペース化

1Uあたりの性能を上げるため、 高密度実装 → 多層化 が進む。

多層基板とリジッドフレックスの関係

AIサーバー内部では、 多層基板(40〜60層)+FPC+リジッドフレックス の組み合わせが増加。

理由:

  • GPU周辺は高密度 → 多層基板
  • 接続部は可動性 → FPC
  • 一体化が必要な部分 → リジッドフレックス

▶ 関連:リジッドフレックス基板とは?FPCとの違いと用途を解説

🔥 FAQ(よくある質問)

Q1. 多層基板は何層から“高多層”と呼ばれますか?

一般的には 20層以上 が高多層とされます。 AIサーバーでは 40〜60層 が主流です。

Q2. 多層基板のコストが高い理由は?

  • 材料(MegtronなどLow‑Dk材)が高価
  • ビルドアップ工程が多い
  • VIP(Via-in-Pad)など高難度加工が必要
  • 歩留まりが低下しやすい これらがコストを押し上げています。

Q3. AIサーバー向け基板はなぜ40〜60層も必要?

  • GPUが 600〜700W級 で電源層が多い
  • HBM周辺の配線密度が極端に高い
  • PCIe Gen5/Gen6・CXLの高速信号対策 これらが多層化を強制します。

Q4. 多層基板に使われる材料は何ですか?

代表的なLow‑Dk材料は以下:

  • Megtron 6(Dk 3.4)
  • Megtron 7(Dk 3.2)
  • Megtron 8(Dk 3.0) 高速信号に強く、AIサーバーで広く採用されています。

Q5. 多層基板とリジッドフレックス基板の違いは?

  • 多層基板:高密度配線・高速信号向け
  • リジッドフレックス:可動部や狭いスペース向け AIサーバーでは 併用されるケースが増加 しています。 ▶ 関連:リジッドフレックス基板とは?

Q6. 多層基板の歩留まりが低いのはなぜ?

  • 積層ズレ
  • VIPの樹脂残り
  • 反り(Warping)
  • 内層ショート 層数が増えるほど難易度が上がり、歩留まりが低下します。

まとめ

多層基板は、 高密度配線・高速信号・大電流 に対応するための必須技術。

特にAIサーバーの普及により、 40〜60層の超多層基板の需要が急増しています。

今後もAI・通信・車載の成長とともに、 多層基板の重要性はさらに高まるでしょう。

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