電子機器の小型化・高密度化が進む中で、 リジッドフレックス基板(Rigid-Flex PCB) の採用が急速に広がっています。
「FPCとの違いは?」 「どんな機器に使われているの?」
この記事では、リジッドフレックス基板の仕組みから用途、FPCとの違いまでをわかりやすく解説します。
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1. リジッドフレックス基板とは
リジッドフレックス基板とは、 硬い基板(リジッド)と柔らかい基板(フレックス=FPC)を一体化した複合基板 のことです。
- リジッド部分:電子部品を高密度に実装する「固定」領域
- フレックス部分:折り曲げて配線できる「可動」領域
この2つを一枚の基板として構成することで、 省スペース化・軽量化・高信頼性 を同時に実現できます。
📌 あわせて読みたい(基礎知識系)
- 基板の種類まとめ|FPC・リジッド・リジッドフレックスの違い
2. IPC規格での分類(専門性強化ポイント)
リジッドフレックス基板は、国際規格 IPC-2223 において Type 4(Rigid-Flex) に分類されます。
- Type 1〜3:FPC(フレキシブル基板)
- Type 4:リジッドフレックス基板
- Type 5:多層フレキ
技術資料やメーカー仕様書を読む際に役立つ知識です。
3. FPCとの違い
リジッドフレックス基板は「FPCの上位互換」ではなく、 用途と役割が異なる別の基板 です。
● 比較表
| 項目 | FPC | リジッドフレックス基板 |
|---|---|---|
| 構造 | 柔軟なポリイミド基材のみ | リジッド+フレックスの複合構造 |
| 曲げ性 | 非常に高い | 部分的に曲げ可能 |
| 実装密度 | 中〜高 | 高密度実装に最適 |
| 耐久性 | やや低い | 高信頼性(接続部が少ない) |
| 主な用途 | スマートウォッチ、カメラ | 車載、医療、折りたたみ端末 |
▶ 関連:FPCとは?仕組み・用途・メリットをわかりやすく解説
4. 曲げ半径(ベンドラディアス)の目安
信頼性設計で最も重要なポイントです。
| 基板種類 | 静的曲げ | 動的曲げ |
|---|---|---|
| FPC | 板厚の6倍 | 板厚の10〜20倍 |
| リジッドフレックス(フレキ部) | フレキ厚の12〜24倍 | 基本的に動的曲げは非推奨 |
※古河電工・NOKの技術資料と整合
5. リジッドフレックス基板が採用される理由
① 接続信頼性が高い
ケーブルやコネクタを減らせるため、 断線・接触不良のリスクが大幅に低減。
② 省スペース化
筐体内の配線を最短距離で結べるため、 スマホ・カメラ・医療機器の小型化に必須。
③ 軽量化
部品点数が減るため、 ドローンやウェアラブル機器で有利。
④ 耐振動性
車載・航空機など、 振動が多い環境での信頼性が高い。
6. 主な用途例
● スマートフォン(折りたたみ構造)
ヒンジ部分にFPC、基板部分にリジッドを配置することで、 薄型化と耐久性を両立。
● 車載カメラモジュール
高温・振動環境でも安定動作が必要なため、 リジッドフレックスが標準採用に近い。
● 医療用内視鏡・診断装置
細い筐体の中で高密度実装が必要。
● ドローン・航空電子機器
軽量化と耐振動性が重要。
● AIサーバーの高密度接続部
高速信号伝送と高信頼性が求められる領域で採用が増加。
▶ 関連:AIサーバー向け40〜60層基板の需要爆増|多層化が止まらない理由
7. 高周波対応材料(Low‑Dk/Df)との組み合わせが増加
AIサーバー・5G/6G通信では、 信号損失を抑えるために Low‑Dk/Df材料 が必須。
- Panasonic:Megtronシリーズ
- Shengyi:S1000H、S7439
- Rogers:ROシリーズ
リジッドフレックスでも、 リジッド部にこれらの材料を採用するケースが増えています。
▶ 関連:低誘電率材料(Low‑Dk/Df)がAIサーバーで重要視される理由
8. 主要メーカーと技術動向(2026年)
● 日本
- 日本メクトロン:車載カメラ向けリジッドフレックスを強化
- NOK:薄型FPC+リジッドの複合構造でスマホ向け拡大
● 台湾
- Flexium:Apple向け折りたたみ端末用R-Flexを量産
- Career:スマホ向けで高シェア
● 中国
- Shengyi:政府支援で月産能力を増強
- Kinwong:通信機器向けでシェア拡大中
9. 今後の展望(2026〜2028)
① 折りたたみ端末の普及で需要増
ヒンジ構造にリジッドフレックスは不可欠。
② AIサーバー・車載で高信頼性基板の需要が急増
高周波対応材料との組み合わせが進む。
③ ESG対応素材の開発
リサイクルPIや低吸湿材料の採用が加速。
まとめ
リジッドフレックス基板は、 「高密度実装 × 省スペース × 高信頼性」 を同時に実現できる次世代基板です。
FPCとの違いを理解することで、 どの機器にどの基板が最適なのかが明確になります。
今後は、
- 折りたたみスマホ
- 車載電子
- 医療機器
- AIサーバー
など、幅広い分野で採用がさらに進むでしょう。
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