実部品をデジタルノギスで実測し、基板設計ライブラリを作成する実務の話
基板設計を業務でやっていると、寸法情報が十分に手に入らない部品に出会います。
- メーカーサイトに外形図が無い
- データシートはあるが寸法が曖昧
- 海外製で改訂履歴が追えない
このまま設計を進めるのは怖い。
だから私は、実部品を取り寄せてデジタルノギスで実測し、シンボルライブラリを作っています。
ただし、正直に言うと迷いはあります
実際にデータシートの寸法と実物を比較すると、
実部品のほうが小さいことがあります。
成形バリの差なのか、ロット差なのか、図面が古いのか。
理由は分かりません。
そのたびに思います。
「この測り方で本当に合っているのか?」
とはいえ、図面が無い以上、他に方法がありません。
推測よりは実測のほうがまだ根拠があります。
だからやむを得ずではありますが、
実測ベースでライブラリを作成しています。
実績としてはどうか
これまでに約20種類の部品を実測し、
その寸法をもとにシンボル/フットプリントを作成してきました。
現在のところ、
- 実装不可
- 干渉トラブル
- パッド不一致
といった問題は発生していません。
もちろん今後も絶対大丈夫とは言い切れません。
ですが少なくとも、推測や曖昧な図面に頼るよりは確実性が高いと感じています。
実測時に意識していること
迷いがあるからこそ、以下は徹底しています。
・複数回測定し中央値を採用
・最大外形を基準に設計
・パッド寸法は実測値より余裕を持たせる
・怪しい部品は試作前に再測定
「実測=絶対値」ではありません。
あくまで“基準値”。
設計側で公差と実装余裕を加味して最終寸法を決めます。
デジタルノギスは万能ではない
デジタルノギスで測れるのは“現物のその個体”だけです。
- ロット差
- 製造公差
- 将来の仕様変更
までは保証できません。
だからこそ、測定値を盲信しない。
でも、測らないよりははるかに良い。
現場ではそのバランスで判断しています。
結論
部品寸法が不明なとき、完璧な方法はありません。
それでも私は、
実部品を入手 → デジタルノギスで実測 →
余裕を持たせた設計値でライブラリ化
という流れで対応しています。
20種類以上作成してきて、今のところ問題は出ていません。
この実績が、現時点での答えです。
何かが起きた場合でも「実物を計測しました。」という理由がきちんとある。
不安はゼロではありません。
それでも“測らない設計”よりは、確実に安全です。


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