本ページは広告リンクやPRが含まれます
PR
広告

【2026年版】40〜60層基板時代の必須技術:バックドリルの仕組みと効果を徹底解説

広告
40層基板のイメージ 技術コラム・業界小ネタ
広告

AIサーバーや高速通信機器の普及により、40〜60層の超多層基板が一般化しています。
しかし、多層化が進むほど深刻化するのが 「ビアスタブ」 の問題です。

特に、AIサーバー向けの40層基板は 板厚5〜6mm が一般的で、
貫通ビアを使うだけで 5〜6mmのスタブ が発生します。
これは、112G/224G SerDesやPCIe Gen5/Gen6といった高速信号では
致命的な信号劣化(反射・損失・EMI) を引き起こします。

この記事では、スタブ問題を根本的に解決する必須技術
「バックドリル(Backdrill)」
について、仕組み・効果・設計ポイントを一次情報に基づいて解説します。


広告

バックドリルとは何か

バックドリルとは、
貫通ビアの“不要なスタブ部分”だけを機械的に削り取る加工です。

  • 信号が使用する層より下の部分
  • 反射・損失・EMIの原因となる部分

これらをCNCドリルで除去し、
スタブ長を6mm → 0.2〜0.3mm以下 に短縮します。

これは、PCBメーカー(PCBMay・Vision PCB など)が
「PTHビアの未使用部分を選択的に除去するプロセス」と定義している内容と一致します。


なぜバックドリルが必要なのか

1. スタブは“アンテナ化”し、反射・損失を生む

スタブは高速信号にとって 共振器(レゾネータ) となり、
以下の問題を引き起こします:

  • インピーダンス不連続による反射(S11悪化)
  • 挿入損失(S21)増加
  • アイパターンの閉塞
  • BER悪化
  • EMI増加(アンテナ化)

これは高速信号設計の一次情報(PCBMayの技術資料)と一致しています。

特に112G/224Gでは、
スタブ長は0.3mm以下が推奨されており、
6mmスタブは完全に許容範囲外です。


2. 40〜60層基板では貫通ビアが長すぎる

AIサーバー向け基板は、

  • 40〜60層
  • 板厚5〜6mm
    が一般的(NVIDIA HGX・Broadcomスイッチ基板の仕様より)。

そのため、貫通ビアを使うと
5〜6mmのスタブが必ず発生します。

バックドリルなしでは、
高速信号のSI要件を満たすことは不可能です。


3. EMI(電磁ノイズ)対策としても必須

スタブは外部に電磁波を放射し、
EMIの発生源になります。

バックドリルによりスタブを除去することで、
ノイズ源を根本から取り除くことができます。


バックドリルの仕組み

  1. 通常の貫通ビアをドリル加工
  2. 信号が使用する層を基準に深さを設定
  3. CNCドリルで不要部分だけを逆側から削る
  4. スタブを 0.2〜0.3mm まで短縮
  5. 導通に必要な銅めっきは残す

これはVision PCBの工程説明と一致しています。


バックドリルの効果

項目バックドリルなしバックドリルあり
スタブ長5〜6mm0.2〜0.3mm
反射(S11)
挿入損失(S21)
アイパターン崩れる安定
EMI増加大幅減少

高速信号メーカーの資料では、
バックドリルの有無でアイ開口が2倍以上変わる ケースも報告されています。


設計時の注意点(実務者向け)

1. バックドリル深さの設定

  • 信号層の 0.1〜0.2mm手前
  • 過剰に削ると導通不良のリスク

2. ビア径

  • 一般的に 0.2〜0.35mm
  • 小さすぎるとドリル精度が不安定

3. スタックアップとの整合

  • コア材の厚み
  • プリプレグの流れ
  • 積層回数

これらを考慮しないと深さ誤差が出る。

4. メーカーごとの加工精度

  • 一般的:±75〜100µm
  • 高精度メーカー:±50µm

バックドリルが使われる代表的な用途

  • AIサーバー(GPUサーバー)
  • データセンター向けスイッチ
  • 5G/6G基地局
  • 高速ルーター
  • 高性能計測器

高速信号 × 多層基板 の組み合わせでは、
バックドリルはほぼ必須技術です。


まとめ

  • 40〜60層基板は板厚5〜6mm → 貫通ビアも5〜6mm
  • スタブ6mmは112G/224Gでは致命的
  • バックドリルはスタブを 0.2〜0.3mm に短縮
  • SI・EMI改善に絶大な効果
  • AIサーバー・5G/6G・高速通信機器で必須
  • 設計時は深さ精度・ビア径・スタックアップに注意

バックドリルは、2026年以降の高速多層基板における“標準技術”です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました