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高速なデジタル信号を扱う設計が多くなってきている

プリント基板 基板設計
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私がプリント基板の設計を始めた頃はアナログ回路はデリケートな信号が流れるので配線に気を使うよう教わりました。

一方、デジタル信号線は繋がっていればいい、いくらビアを使っても繋がっていればいいという時代でした。

デジタル回路の動作周波数のスピードアップのサイクルが短くなってきたのが1990年代に入ってからでしょうか。

それでもプリント基板設計の手法に大きな影響は皆無でした。

プリント基板設計をしていて、デジタル回路の引き回しに対して気を使うようにというか、配線の仕方をこうして下さいという。

今までに無かった指摘を受けたのが液晶ディスプレイのドライブ回路の配線設計の時でした。

2000年前後の事だと思います。

それが今では『DDR規格』や『PCI Exprres』といった高速通信規格などギガヘルツ単位で動作する信号を伝えるプリン基板の配線設計も僅かながらするようになりました。

高速な信号があると、それだけでプリント基板設計の難易度が跳ね上がってしまいます。

インピーダンスコントロールをしてシミュレーションを駆使してSI解析を行わないと試作基板を作れないという状況になってきました。

勿論、こんな事を書いていると『まだそんなレベルなの?』って言われそうですが、自分にとっては大きな壁に感じる、今日この頃。

高速デジタル回路は気を使って配線するだけでは、一発では実機で動かないかもしれないという事。

いろいろな条件を満たしてあげないと、波形を信号が高速で伝わってくれないのです。

私の感覚では100メガヘルツを超えるデジタル信号は気を使わなければいけないという気がします。

一昔前を考えれば50メガヘルツでも十分に高速です。

それが今では、バスクロックが100メガヘルツを超えてくるという高周波回路になっています。

この先、更に高速化していくと予想されるデジタル回路は、シミュレーション無しでは設計できない時代に既に突入してます。

今までは遅い周波数でも大丈夫だった回路が、動作が早い部品に引っ張られて高速化していく時代と言えるのではないでしょうか。

使っているPCも高速化し、SI解析やPI解析を短時間で行えるようになりましたので、活用して時代に取り残されない様にすることがプリント基板設計において、他より頭一つ抜きん出る手段になると思います。

ただ、指示された仕様でパターンを引いているだけでは進歩はありません。

どうしてその仕様になったのか?を少しでも前向きになって勉強する事で設計スキルを上げる事が出来る。

ですので、解析を習得すれば、プリント基板設計をする上で強い味方になると思います。

以前は、回路を知らない方が情報に左右されずに良いパターンを引けると思っていましたが、今は回路を知っている方が良いパターンが引けるという事を身をもって知らされます。

プリント基板の設計者は、回路を知っていると有利という事に気付かされました。

回路について勉強する事は無駄になる事はありません。知っている事で気を使ってパターンを引くことが出来ます。

回路を知らない人が引いたパターンと似ていても、ツボを押さえるパターンの引き方が出来ている。

理想を書いていまして、納期に追われる日々の中でプライベートな時間を削ってまでも解析の勉強をするなんて、実際には難しい話です。

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