基板設計は、間違いなく作業です。特別なひらめきやセンスは、あった方が良いものですし、実際に役に立つ場面もあります。
ただし、それらがなければ成り立たない仕事かというと、決してそうではありません。
回路を配置し、配線し、一つひとつ確認していく。その繰り返しで成り立っている、極めて地味で、極めて現実的な作業です。
ただし、基板設計の作業は単純作業では終わりません。そこには常に「チェック」がついて回ります。
基板設計は「考える作業」の集合体です
基板設計では、手を動かしている時間のほとんどが作業です。部品を配置します。配線を引きます。データを修正します。
しかし、その一つひとつの作業には必ず確認が挟まります。「この向きで問題ないか」「この距離で製造できるか」「あとから困る人はいないか」。
作業→チェック→修正。この繰り返しが設計作業の大部分を占めています。
チェックは作業と切り離せるものではありません
チェックというと、作業とは別の工程として考えられがちです。
しかし、実際の設計現場では違います。チェックは作業を止めるものではなく、作業の途中に常に入り込んでくるものです。
そのため、決まったチェックリストを消化するだけでは足りません。設計を進めるたびに、新しい確認点が自然に発生していきます。
経験を積むほど、作業は遅くなります
経験を積むと、作業スピードは一見すると遅くなります。
これは能力が下がったわけではなく、チェックが増えた結果です。
以前は気づかなかった点に気づくようになります。先の工程を想像するようになります。
不具合の芽を早い段階で潰すようになります。その結果、手戻りは減り、品質は安定していきます。
基板設計は、作業量がそのまま品質になります
基板設計では、楽をした分だけ後工程に負担が回ります。
逆に言えば、どれだけ手を動かしたか、どれだけ立ち止まって確認したか。
その作業量そのものが品質に直結します。
派手さはありませんが、それが基板設計という仕事の現実です。
まとめ:作業の中に、経験とセンスがにじみ出ます
基板設計は、天才的な発想で一気に仕上げる仕事ではありません。
しかし、経験やセンスがまったく不要というわけでもありません。地味な作業を疑いながら、確認しながら、最後まで積み重ねていく。その過程の中で、設計者ごとの差が少しずつ現れてきます。
その差を生むのが、積み重ねてきた経験と、培われたセンスです。


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