当記事では、ネットリストの文字列を置換してくれるフリーソフト「Multi Part Swap」のダウンロード・インストール、使い方を紹介しています。
「Multi Part Swap」を使うと、置換前と置換後の文字を決まりに沿って登録することで毎回ネットリストの文字列を手修正で置換するという作業から解放されます。
私が、ネットリストのテキスト置換に「Multi Part Swap」を使用しはじめてからかれこれ16年という長い年月が経過します。
支給されるネットリストをそのまま使う事が理想なのですが、そのまま使えるということがほぼありません。
そのまま使えないということは回路変更の度に毎回手修正が必要になるということです。
そんな時に使えるのが「Multi Part Swap」、略して「MPS」。
windowsがXP、VISTA、window7、windows8、windows10と変化してきましたが、windowsが代わってもずっと使えています。
基板設計CAD用のネットリストのフォーマット変換では対応しきれない文字列や登録の無い部品などの置換に使用しています。
前もって置換前と置換後の文字列を定義ファイルとして準備しておくことで、『Multi Part Swap』上で変換定義どおりに置き換えてくれるます。
ネットリストが変更になっても人手による置換ではないので、置き換え定義ファイルさえしっかりしていれば、正確に何回でも置換する事ができます。
ネットリスト中のテキスト置換用にフリーソフトで使える物はないものか?といろいろ試した結果、『Multi Part Swap』が優れていると判断し使い始めました。
通常の文字列置換ソフトの場合、一度置換したテキストが次の置換候補に含まれると又置換されてしまい、意図していない結果になる事が多々あります。
『Multi Part Swap』の優れているところは、一度置換された文字列はその後の置換対象としないところです。
注意する点としては、同じ行に置換したい文字列が点在している場合は、一行にまとめる必要があります。
『Multi Part Swap』のダウンロード
ベクターでダウンロードできます。
ベクターのダウンロードページはこちらからどうぞ
ベクターの『Multi Part Swap』ダウンロードのページ
mps12.lzhというファイルがPCに保存されたらダウンロードは完了です。
『Multi Part Swap』の使い方
インストールは不要です。解凍したら任意の場所に置きましょう。
余談になりますが、私は「C:」や「D:」の下に「Program Files2」というフォルダを作成してダウンロードして手に入れたソフト群を管理してます。
使い方の流れをざっとですが説明します。
テキストデータで置換前と置換後を定義したテキストファイルの準備
(例)区切り用テキストを『/』で定義しています
置換前 置換後
CN5:CNXXX/IC5:ICXXX
IC1-1/IC1-A1
IC1-2/IC1-2A
T1-3/TR1-3
CN5-6/IC5-6
実際に使用して感じた事ですが、『TAB』や『空白:スペース』を含むネットより『TAB』や『空白:スペース』を含まないネットリストの方が定義がしやすく、『TAB』なのか連続した『空白:スペース』なのかは実際に置換してみないとわかりません。
『TAB』や『空白:スペース』を無くしてから置換することで作業効率がよくなります。
定義の入力が終了したら任意のファイル名で保存します。
*、置換テキスト前後の区切り記号に使用できる文字には制約があり、使用可能な文字は 『,』、『;』、『.』、『/』、『|』、『-』の6文字です。
『.』や『-』はネットリストで使用する事も多いので『/』や『|』を主に使用しています。
MPSで文字列を置換
『Multi Part Swap』を立ち上げて置換対象元ファイルを読み込みます
適当に考えてみたサンプルネットリストを読み込んでいます。
SAMPLE NET LIST
comp_start
IC1:ICXXX
T1:2SBXXX
CN5:CNXXX
comp_end
net_start
sig001:IC1-1,IC1-2,CN5-6
net_end
区切り文字を指定し変換後チェックにチェックを入れてOKを押して下さい。
変換結果を任意ファイル名を付けて保存して終了です。
まとめ
ネットリストの文字列の置換にフリーソフトの『Multi Part Swap』略称MPSというフリーのソフトを使っています。
優れている点は、一度置換した文字列は二度目の置換はされないところ。
MPSの変換仕様を把握していない導入当初は意図しない箇所が置換がされていたりして予想と違う結果になり戸惑う事もありましたが、操作に慣れてくると事前に準備する置換テキストの作り込み具合で予想どおりの結果に導けるようになります。
ベクターさんの『Multi Part Swap』のページはこちらからどうぞ。
ベクターの『Multi Part Swap』のページ
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