Windowsで文字を抽出:無料で利用可能なOCRツールと使い方を紹介しています。
OCR(Optical Character Recognition)とは
OCRとはOptical Character Recognitionの略で、日本語では光学的文字認識と呼ばれます。
OCRは、手書きで作成した帳票や資料、議事録などをデータとして取り込み、パソコンで編集可能にする技術です。
OCRの歴史は古く、1968年に初の国産OCR製品が登場しました。当時は郵便番号の読み取りを目的として開発されましたが、その後、利用範囲は広がり続けています。
現在では、手書き資料の画像データを取り込み、文字解析や言語処理などを一つのアプリケーションで実行できるまでに進化しています。
AIの発展により、AI-OCRも登場しました。AI-OCRは深層学習に基づいて文字を効率的かつ迅速に処理することができます。
OCRの利用方法も大きく進化しました。以前はOCRを使うためにはスキャナが必需品でしたが、現在では画像化された手書き文字をソフトウェアで取り込むことができ、簡単にOCRが実現できます。
スマートフォンの普及により、画像の取得が容易になったことも大きな影響を与えています。
Windowsの無料で使えるOCRツール
One Note
OneNoteはWindowsに付属するノートツールで、Notionのように自分のアイデアやTo Doリスト、メモなどをパソコンに記録できる便利なツールです。
OneNoteを使用すると、手書き文字を画像化し、それをテキストに変換することができます。意外と知られていないかもしれませんが、このように便利な使い方ができるのです。
OneNoteの利用方法は以下の通りです:
– Windows 365にバンドルされているOneNoteを使用する
– Windows 11に付属のOneNoteを使用する
– OneNoteのダウンロードサイト(
これらの方法のうち、OneNoteのサイトを利用するか、Windows 11をすでに使用している場合は、無料でOneNoteのOCR機能を使用できます。
ただし、一部のバージョンではOCR機能が利用できないこともあるため、実際に使用できるかどうか事前に確認しておくことが重要です。
Windows 11のSnipping Tool
Snipping ToolはWindowsに付属するアクセサリーツールで、古いバージョンのWindowsにも搭載されています。使い方は非常に簡単で、Snipping Toolを起動して手書き文字部分を画面で選択するだけです。
このツールは画面キャプチャ用のツールですが、キャプチャした画面に文字が含まれている場合、OCR機能を利用することもできます。
ただし、このOCR機能はWindows 11に搭載されているSnipping Toolに限られます。Windows10のSnipping Toolには、装備されていません。
Snipping Toolは使いやすいツールでありながら、Windows 11以外のOSでは利用できないのは残念です。それでも、このツールの使いやすさを考えると、Snipping Toolを利用するためにWindows 11への切り替えを検討する価値は十分にあるでしょう。
Windows 11のSSnipping Toolで文字を抽出する手順
Snipping Toolで文字を抽出する手順についてご紹介します。
Snipping Toolを起動する
起動方法は、以下のいずれかを使用します:
・スタートメニューからSnipping Toolを選択する
・「すべてのアプリ」からSnipping Toolを探し出す
・ファイル名を指定して起動する
使用頻度が高い場合は、デスクトップにショートカットを作成したり、タスクバーにピン留めしたりすると便利です。
Snipping Toolのカメラボタンをクリックする
ツール内のカメラボタンをクリックすると、静止画像をキャプチャできます。
「新規」をクリックして、新しいスクリーンショットを取得する
「新規」ボタンをクリックして、スクリーンショットを取得します。
キャプチャモードに切り替わる
キャプチャモードに切り替わるので、文字変換したい場所を囲んで反転表示させます。
キャプチャした文字がプレビュー表示される
キャプチャした文字がプレビュー表示されます。
テキストアクションボタンをクリックする
テキストアクションボタンをクリックします。
変換処理が行われ、画像の文字がテキストに変換される
変換処理が行われ、画像の文字がテキストに変換されます。
「すべてのテキストをコピー」をクリックする
「すべてのテキストをコピー」をクリックすると、テキスト内容がコピーされます。必要に応じて、テキストエディタやWordに貼り付けましょう。
これらの手順を踏むことで、Snipping Toolを使用して簡単に文字を抽出することができます。
Windowsの無料OCRツールの限界と注意点
Windowsの無料OCRツールは手軽で非常に便利ですが、いくつか注意すべき点があります。
ツールを使用する際には、以下の点に注意しましょう。
精度の問題
GoogleドライブやPDFelementと比較すると、文字認識の精度がやや劣ります。特に複雑なフォントや手書き文字では文字化けが発生することがあり、その修正に手間がかかります。
処理時間
OCR処理に少し時間がかかることがあります。特に大量のドキュメントを処理する場合は、時間がかかることを考慮する必要があります。
バージョン依存
一部のWindowsバージョンではOCR機能を利用できない場合があります。また、バージョンによって操作方法が異なることがあるため、使い方を確認する必要があります。
有料ツールの検討
精度や操作性に問題がある場合、新たに有料ツールを購入することも検討する必要があります。有料ツールは高い精度と機能を提供するため、効率的に作業を進めることができます。
特に精度の点に関しては、無料ツールでは満足できない場合があるため、必要に応じて有料ツールの導入を検討するとよいでしょう。
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