AIサーバーや高速通信機器の普及により、40層以上の超多層基板が一般化しています。
その中でよく驚かれるのが、
「表から裏に貫通ビアを設けただけで、長さが6mmになる」
という事実です。
この記事では、40層基板の板厚とビア長がなぜここまで大きくなるのか、
そしてそれが設計・製造・信号品質にどんな影響を与えるのかを、
ファクトチェック済みの情報だけで解説します。
結論:40層基板は 4.0〜6.0mm が一般的で、貫通ビアも同じ長さになる
複数の基板メーカー仕様書・IPC規格・AIサーバー向けバックプレーンの実例から、
- 40層基板の板厚:4.0〜6.0mm
- 貫通ビアの長さ:板厚=4.0〜6.0mm
ということが確認できます。
つまり、
40層基板で貫通ビアを使うと、5〜6mmのビア長になるのは完全に事実です。
なぜ40層基板は5〜6mmの厚みになるのか?
1. 高速信号層の間隔を確保するため
112G/224G SerDes、PCIe Gen5/Gen6などの高速信号では、
層間距離(誘電体厚み)を一定に保つ必要があります。
薄く積むとインピーダンスが安定しないため、
結果として板厚が増えます。
2. 電源層・GND層が非常に多い
40層のうち、
- GND層:10〜14層
- 電源層:6〜10層
を占めることも珍しくありません。
高速信号をGNDでサンドイッチする構造が必須のため、
層数が増える=板厚が増えるという構造的な理由があります。
3. 反り(Warp/Bow)対策
40層を薄く作ると、
- 積層時の熱応力
- 材料のCTE差
により反りが発生しやすくなります。
そのため、4mm以上が実質的な下限になります。
■ 貫通ビアが6mmになると何が問題なのか?
1. 高速信号では“スタブ”が致命的
貫通ビアは、信号が使わない部分がスタブとして残ります。
40層基板で表→裏に貫通させると、
信号が使うのは例えば「層3〜層6」だけなのに、
残りの30層分がスタブとしてぶら下がる。
→ 6mmのスタブは完全にアンテナ化し、反射・損失・EMIの原因になる
112G/224Gでは、
1mmのスタブでも問題になるため、6mmは論外です。
2. 製造難易度が跳ね上がる
6mmの貫通ビアは:
- 穴あけ深さが大きい
- ドリル摩耗が激しい
- 穴壁めっきが不均一になりやすい
- 積層回数が多く位置ズレが起きやすい
→ 歩留まりが下がり、コストが上がる。
だから40層基板では「貫通ビアを使わない」のが基本
AIサーバーや高速通信機器では、以下のビア構造が主流です。
- ブラインドビア(1-N)
- ベリードビア
- スタックドマイクロビア
- バックドリル(不要スタブ除去)
特にバックドリルは、
6mm → 0.3mm以下にスタブを削減できるため、
高速信号では必須技術です。
40層基板のスタックアップ例(AIサーバー向け)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 層数 | 40層 |
| 板厚 | 5.2mm |
| 材料 | Megtron 6 / 7 / 8 |
| ビア構造 | スタックド+ベリード+バックドリル |
| 特徴 | 高速差動層多数、GND層多め、電源層多め |
AIサーバー向けバックプレーンでは、
5〜6mmが最も一般的です。
まとめ
- 40層基板の板厚は 4.0〜6.0mm が一般的
- 貫通ビアは板厚=ビア長なので 5〜6mm になる
- 高速信号では6mmスタブは致命的
- 実務ではブラインド/ベリード/バックドリルが必須
- AIサーバー向け基板では6mmはむしろ標準的
「貫通ビアを設けただけで6mmになる」──これは完全に事実であり、40層基板の本質的な難しさです。

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