「.vsd」「.vsdx」ファイルが送られてきたものの、開き方が分からず困った経験はないでしょうか。
基板設計の現場では、外形図や実装禁止エリアの指示図がMicrosoft Visio形式で支給されることがあります。しかし、Visioを所有していない環境ではファイルを開けず、内容を確認できない場合があります。
特に外形寸法や取付穴位置など、設計判断に関わる情報が含まれている場合は注意が必要です。
本記事では、VSD・VSDXファイルを無料で開く方法と、基板設計業務で確認する際の注意点を解説します。
VSD・VSDXファイルとは
VSD・VSDXは、Microsoft Visioで作成された図面ファイル形式です。
- VSD:Visio 2010以前で主に使用されていた形式
- VSDX:Visio 2013以降で採用された形式
Visioはフローチャートやネットワーク構成図だけでなく、製品外形図やレイアウト図、仕様説明図などにも利用されています。
画像データではなくベクターデータのため、拡大しても線や文字が劣化しにくい特徴があります。
私自身、基板外形変更の指示図や筐体との干渉説明資料がVisio形式で支給された経験があります。正式なCADデータではなく、補足説明資料として利用されるケースは珍しくありません。
基板設計でVSD・VSDXファイルが支給される場面
基板設計業務では、以下のような情報がVisio形式で支給されることがあります。
- 基板外形寸法図
- コネクタ位置指示
- 取付穴位置指示
- 実装禁止エリアの指定
- 部品高さ制限の説明図
- 筐体との干渉注意事項
DXFやSTEPなどの正式なCADデータではなく、補足説明資料として作成されることが多いのが特徴です。
頻度は高くありませんが、設計判断に関わる内容が含まれている場合もあるため、内容を確認できる環境を用意しておくと安心です。
VSD・VSDXファイルを無料で開く方法
LibreOffice Drawを使う
Visioを所有していなくても、LibreOffice Drawを利用するとVSD・VSDXファイルを開ける場合があります。
VSDXだけでなく、旧形式のVSDファイルにも対応しています。
手順は以下の通りです。
- LibreOfficeをインストールする
- VSDまたはVSDXファイルを右クリックする
- 「プログラムから開く」を選択する
- LibreOffice Drawを指定する
私が確認した範囲では、公開されているサンプルファイルや簡易的な図面データは表示できました。
また、閲覧だけでなく以下のような操作も可能です。
- 図形の移動
- テキスト編集
- PDF出力
- 印刷
Visioファイルの内容確認や資料化といった用途であれば、十分活用できる場合があります。
当サイトでは、LibreOfficeの詳細や導入方法について詳しく紹介しています。
👉 「LibreOffice」の記事はこちら
LibreOffice Drawで開く際の注意点


LibreOffice Drawは便利ですが、Visioとの完全互換ではありません。
そのため、ファイルによっては以下の問題が発生する可能性があります。
- フォントが置き換わる
- 文字位置がずれる
- 一部図形が正しく表示されない
- レイアウトが崩れる
特に古いVSDファイルや複雑な図面では注意が必要です。
「ファイルを開けること」と「Visioと同じ表示になること」は別問題として考えた方が安全です。
設計判断に使用する際の注意点
基板設計で最も重要なのは、表示された図面をそのまま寸法基準にしないことです。
Visio図面は説明用途で作成されることが多く、CAD図面のように縮尺や寸法精度が保証されているとは限りません。
顧客から支給されたVisio形式の外形図も、正式な設計データではなく説明資料として作成されている場合があります。
そのため、以下の情報は必ず数値を個別に確認しましょう。
- 基板外形寸法
- 取付穴位置
- コネクタ位置
- 実装禁止エリア
- 部品高さ制限
可能であれば、以下の正式データとの照合をおすすめします。
- PDF図面
- DXFデータ
- STEPデータ
- 顧客支給の寸法表
閲覧できたからといって、そのまま設計基準として採用するのは危険です。
設計判断に関わる場合は、正式データとの整合性を確認してから利用するようにしましょう。
LibreOffice Drawで開けない場合の対処法
すべてのVisioファイルが正常に開けるとは限りません。
LibreOffice Drawで開けない場合は、発行元に以下のデータ提供を依頼する方法があります。
- PDF版の提供
- DXFデータの提供
- 画像形式での出力
- 別バージョン形式での保存
設計判断に使用する資料であれば、PDFだけでなく正式なCADデータの提供を依頼する方が確実です。
FAQ(よくある質問)
VSDとVSDXの違いは何ですか?
VSDはVisio 2010以前で主に使用されていた旧形式です。VSDXはVisio 2013以降で採用された新形式で、現在はこちらが標準となっています。
VisioがなくてもVSD・VSDXファイルは開けますか?
LibreOffice Drawなどの対応ソフトを利用すれば、Visioを所有していなくてもVSD・VSDXファイルを閲覧できる場合があります。ただし、ファイルによっては表示崩れが発生することがあります。
LibreOffice DrawでVSD・VSDXファイルを編集できますか?
図形やテキストの編集、PDF出力などは可能です。ただし、Visio固有の機能や複雑な図面は正しく編集できない場合があります。
まとめ
VSD・VSDXファイルはMicrosoft Visioで作成された図面形式です。
基板設計では、外形図や実装禁止エリアの説明資料として支給されることがあります。
VSD・VSDXファイルの開き方で困った場合は、まずLibreOffice Drawでの閲覧を試してみましょう。Visioを所有していなくても無料で内容を確認できる場合があります。
ただし、Visioとの完全互換ではないため、表示崩れやレイアウト差異が発生する可能性があります。
特に外形寸法や取付穴位置など設計判断に関わる情報は、PDFやDXF、STEPなどの正式データと照合して確認することが重要です。
Visioファイルはあくまで説明資料として扱い、最終的な設計判断は正式データを基準に行いましょう。


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