PCB設計を始めたばかりの方が、つい後回しにしがちなのがフィデューシャルマークです。
しかし、これを適切に設計していないと、
- 実装位置がズレる
- 実装機がエラー停止する
- 最悪、基板が全数不良になる
といったトラブルに直結します。
この記事では、初心者が最初に押さえるべき
- フィデューシャルマークの役割
- 配置ルール
- 推奨サイズ(φ1.0/レジストφ3.0の考え方)
- 何個必要か
を、実務目線で整理します。
フィデューシャルマークとは?
フィデューシャルマークとは、SMT実装時に基板位置を補正するための基準マークです。
自動実装機は、基板をカメラで撮像し、
このマークの座標を読み取って、
- X方向補正
- Y方向補正
- 回転補正
を行います。
つまり、フィデューシャルマークは
実装精度を決める基準点です。
なぜ必要なのか?
基板は製造工程で微妙に伸縮します。
また、搬送時にもわずかなズレが生じます。
フィデューシャルマークがないと、
- 部品がパッドからずれる
- BGAでブリッジが発生する
- 実装機が原点補正できない
という事態になります。
高密度基板では必須です。
フィデューシャルマークは何個必要?
最低2点
対角に2点
推奨3点
2点あれば位置と回転が補正可能です。
3点あればより安定します。
四隅のうち非対称に3点配置するのが一般的です。
※対称配置にすると基板を180度回転時に誤認識リスクがあります。
※実装業者の仕様を必ず確認してください。
グローバルとローカルの違い
■ グローバルフィデューシャル
基板全体の位置補正用
→ 通常は基板外周付近に配置
■ ローカルフィデューシャル
BGAやQFPなど高密度部品周辺に配置
→ 局所補正用
※SMT実装機の仕様により不要の場合もある。
初心者設計でも、BGAを使うならローカルは必須です。
※実装業者の仕様を必ず確認してください。
推奨サイズと設計基準
ここが重要です。
一般的な目安:
- 銅パッド径:φ又は四角の1.0mm前後(0.5〜1.5mm)
- レジスト開口:パッドより片側+0.5〜1.0mm以上
- 周囲クリアランス:レジスト開口端から0.1mm
- シルクは重ねない
よくある設計例が、
銅φ1.0mm
レジスト開口φ3.0mm前後
です。
レジストを大きめに開ける理由は、
- カメラ認識コントラスト確保
- レジスト残り防止
- エッチングばらつき対策
です。
※実装業者の仕様を必ず確認してください。
形状は円形が基本
円形が最も一般的です。
理由は、
- 画像処理しやすい
- 回転方向に依存しない
- 認識精度が安定
四角形も可能ですが、特別な理由がない限り円形を選びます。
※実装業者の仕様を必ず確認してください。
よくある設計ミス
初心者がやりがちなミス:
- レジスト開口が小さい
- 周囲にパターンが近すぎる
- シルクが重なっている
- 2点が対称位置
これらは実装不良の原因になります。
パネル基板の場合

量産ではパネル化されます。(試作基板時から量産を意識したパネル化すると合理的)
その場合:
- パネル用グローバルマーク
- 個片用グローバルマーク
の両方を設けるケースが多いです。
※実装業者の仕様を必ず確認してください。
まとめ
フィデューシャルマークは単なる目印ではありません。
実装精度を決める基準点です。
初心者が押さえるべきポイントは:
- 最低2点、推奨3点
- 非対称配置
- φ1.0パッド+十分なレジスト開口
- 周囲3mmクリアランス
ここを守れば、実装トラブルは大きく減ります。
重要なことは、実装業者の仕様を必ず確認するということです。


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