本ページは広告リンクやPRが含まれます

基板の表面処理の種類とは?特徴・違い・選び方を設計者視点で解説

基板の表面処理 基板設計の基礎
広告

基板の表面処理の種類は、実装品質・コスト・信頼性を左右する重要な要素です。

回路設計だけをしていると意識する機会は少ないかもしれません。しかし、試作基板の手配や量産移行を経験すると、表面処理の違いが歩留まりや実装トラブルに直結する場面があると分かります。

この記事では、基板の代表的な表面処理の種類とその違い、そして用途別の選び方まで整理します。

本記事は製造工程を深く掘り下げる技術資料ではなく、基板設計者が表面処理の種類と違いを把握し、設計時に判断で迷わないための整理記事です。


基板の表面処理とは?

基板上のランドやパッドは銅でできています。

銅は空気中で酸化し、はんだ濡れ性が低下します。
この酸化を防ぐために施されるコーティングが基板の表面処理です。


基板の表面処理の種類一覧

現在、代表的な基板の表面処理の種類は次のとおりです。

種類業界呼称コスト平坦度保存期間主な用途
水溶性プレフラックスOSP◎ 安い◎ 高い△ 短い量産基板
半田レベラーHASL汎用基板
無電解金めっきENIGBGA基板
電解金メッキHard Gold× 高いコネクタ端子

※コストは相対評価


① 水溶性プレフラックス(OSP)

特徴

有機皮膜で銅表面を保護。

メリット

・低コスト
・平坦度が高い
・実装信頼性が高い

デメリット

・保存期限が短い
・多回リフローに弱い

向いている用途

・量産基板
・コスト重視案件


② 半田レベラー(HASL)

共晶タイプと無鉛タイプがあります。

特徴

溶融はんだをコーティング。

メリット

・コストが比較的安い
・実績豊富

デメリット

・膜厚ばらつき
・平坦度が低い
・微細ピッチ部品には不向き

向いている用途

・汎用基板
・コスト優先設計


③ 無電解金めっき(ENIG)

ニッケル層+薄い金層。

ニッケル厚:1~5μm
金厚:0.01~0.05μm

メリット

・高い平坦度
・BGAに最適
・保存安定性

デメリット

・コスト高
・ブラックパッドリスク

向いている用途

・高密度実装
・BGA基板
・試作基板


④ 電解金メッキ(Hard Gold)

電気で厚い金めっきを形成。

金厚:0.1~0.3μm

メリット

・耐摩耗性
・接触信頼性

デメリット

・高コスト
・はんだ濡れ性は低い

向いている用途

・コネクタ端子
・抜き差し部


基板設計への影響はあるのか?

通常の回路設計では大きな影響はありません。

ただし例外があります。

・電解金端子 → 引き出しパターンが必要
・BGA使用 → ENIG推奨
・微細ピッチ → HASLは不向き
・高周波用途 → 表面粗さ影響あり

つまり、

「基本的には影響は小さいが、部品条件によっては重要」

これが正確な整理です。


用途別の選び方

条件推奨処理
コスト重視量産OSP
汎用用途HASL
BGA搭載ENIG
コネクタ端子電解金

まとめ

基板の表面処理の種類は主に4つ。

選定基準は
・コスト
・平坦度
・保存期間
・用途

設計段階では軽視されがちですが、実装品質や歩留まりに直結する重要項目です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました