この記事では、FreeCADのダウンロード・インストール・バージョンついて紹介。あわせて商用利用・マニュアルについても紹介しています。
FreeCADは、無料で使えるオープンソースの3D-CADソフトウェアです。
対応するOSがWindows、MacOS、Linuxのマルチプラットフォームに対応し、高度なカスタマイズや拡張が可能です。
特に3D CADで形状を作成する方法の一つであり、寸法値として定義された変数の値や拘束条件を指定して形状を作成する方法のパラメトリック3Dモデリングに優れていて、初心者から上級者まで幅広いユーザーに適しています。
無償で使えるソフトウェアなのに、3Dモデリング、メッシュデザイン、製図(ドラフト)、有限要素法解析(FEM)、レイトレーシング、ロボティクス機能など、標準機能が充実しています。
FreeCADはこんなソフト
FreeCADとは、海外のFreeCAD Teamによって開発が進められてきたオープンソースのCADソフトです。
2022年時点で、最新版がバージョン0.20のプログラムになっています。
2002年に公開されてから、オフィシャルサイトで最新版が公開されてきましたが、オープンソースなので独自に開発を進めて利用されているケースも少なくありません。
FreeCADのダウンロード
FreeCADは、公式サイトからダウンロードすることができます。
検索エンジンなどでFreeCADの公式サイトを検索してアクセスします。
下記から公式サイトのダウンロードページにアクセスできます。
FreeCAD公式サイトのダウンロードのページ

ダウンロードページは日本語に対応しています。

FreeCADはWindowsやMacだけでなくLinuxでも利用できるのが特徴です。
左からWindows、Mac、Linuxと書かれていて、Windowsは64ビット版があります。
Windows版の64ビットのインストーラーをダウンロードします。アイコンをクリックするとダウンロードできます。
「FreeCAD-0.21.2-WIN-x64-installer-1.exe」というファイルがダウンロードされます。
以上で、FreeCADのダウンロードは完了です。
FreeCADのインストール
ダウンロードしたインストーラーをダブルクリック、又はファイルの上にマウスカーソルを持っていき右クリック、開いたメニューの「管理者として実行」を選択するとインストールは始まります。基本は画面に従って行くだけです。

FreeCAD セットアップへようこその画面。「次へ」をクリック。

使用許諾契約の画面。「次へ」をクリック。

ユーザーの選択。環境によって任意で選んでいただき「次へ」をクリック。

インストール先の選択。デフォルトのままで「次へ」をクリック。

構成要素の選択。デフォルトのまま「次へ」をクリック。

スタートメニューフォルダの選択。デフォルトのまま「インストール」をクリック。

インストールが始まります。少し時間がかかるので待ちます。

FreeCAD セットアップの完了画面。「完了」をクリック。
以上でFreeCADのインストールが完了です。
FreeCADの最新バージョン(2025年10月時点)
2025年10月27日時点での、FreeCADの最新バージョンは「1.0.2」で、2025年8月6日にリリースされました。
このバージョンは、FreeCADの開発におけるひとつの大きな節目となっていて、これまで以上に安定性と使いやすさがアップしています。
主な改良ポイント主なポイントはこちらです
パラメトリックモデリングの強化
設計パラメータを変更してもスムーズにモデルが更新されるだけでなく、関連するスケッチや拘束条件も自動的に再計算され、全体の設計構造が維持されるようになっています。
これにより、複雑なアセンブリモデルでも効率的に修正が行え、寸法変更や部品の位置調整が容易になります。
また、履歴ベースの設計履歴ツリーが改善され、どの段階でどの要素を変更したかが一目で分かるようになりました。
さらに、新しい制約ソルバーの導入により、計算処理が高速化され、パラメータ変更時の応答性が向上しています。
これらの改良によって、設計作業のスピードと精度が大幅に向上し、より実践的なモデリングが可能となっています。
作業台の拡充
BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)やCNC(コンピュータ数値制御)、3Dプリント、有限要素解析など、さまざまな目的に合わせた作業台が用意されています。
それぞれの作業台(ワークベンチ)は、特定の設計目的に合わせてツールセットが異なり、たとえばBIMでは建築設計や構造モデルの作成、CNCでは加工経路の生成、FEMでは応力解析や変形シミュレーションが行えます。
3DプリントモジュールではSTL形式への変換やプリント前のエラー検出も可能で、設計から製造までをスムーズに統合できます。
また、ユーザーはPythonマクロを利用してカスタムワークベンチを作成したり、コミュニティが提供するアドオンを追加して機能を拡張することもできます。
こうした柔軟なモジュール構造が、FreeCADの高い汎用性とカスタマイズ性を支えています。
ユーザーインターフェースの改善
より直感的で分かりやすいUIに刷新。
新しいバージョンでは、ツールバーやメニュー構成が再設計され、よく使う機能にアクセスしやすくなっています。
アイコンデザインもモダンに統一され、作業画面全体が視覚的に整理されているため、初心者でも迷わず操作が可能です。
また、ダークモードやカスタムレイアウト設定にも対応し、作業環境を自分好みに最適化できます。
パネルやウィンドウのドッキングも柔軟になり、複数モニター環境での使用性が向上しました。
さらに、ツールチップやヘルプガイドの内容が強化され、操作の流れを理解しやすくなっている点も注目ポイントです。
FreeCADの商用利用
「FreeCAD」は、個人利用・商用利用のどちらでも無料で利用できる3DCADソフトです。
また、他のフリーソフトとは異なり、無料でありながら全ての機能が制限なく使用できる点も大きな魅力です。
FreeCADのマニュアル
FreeCADには、初心者から上級者まで幅広く活用できる公式マニュアルと、コミュニティが作成したドキュメントが用意されています。
これらの資料を活用することで、より効率的に機能を理解し、設計スキルを向上させることができます。
公式マニュアルとWiki
FreeCAD公式サイトには、ユーザーガイド、チュートリアル、リファレンスドキュメントがまとめられています。
特に、公式Wiki(FreeCAD Documentation)は充実しており、操作手順や各作業台(ワークベンチ)の機能説明、Pythonスクリプトの使い方などが詳細に記載されています。
日本語ページも整備されつつあり、英語に不慣れな方でも学びやすい環境が整っています。
チュートリアルと動画解説
コミュニティによって作成されたYouTubeチャンネルやブログでは、具体的なモデリング例や設計テクニックを解説する動画・記事が数多く公開されています。
たとえば「FreeCAD 基本操作」や「FreeCAD パラメトリック設計」といったキーワードで検索すれば、実践的な操作手順を視覚的に学ぶことが可能です。
学習の進め方
初めてFreeCADを使う場合は、まずSketcher(スケッチャー)ワークベンチで2Dスケッチを作成し、Part Designワークベンチで3D形状を作る流れを体験するのが効果的です。
その後、AssemblyやFEMなどのワークベンチを学ぶことで、より高度な設計が可能になります。
また、Pythonコンソールを使ってスクリプトを試すことで、自動化やカスタマイズの基礎を学ぶこともできます。
コミュニティフォーラム
FreeCADのフォーラム(FreeCAD Forum)は、世界中のユーザーが参加する情報交換の場です。
質問や不具合報告、開発要望などを投稿でき、初心者にもフレンドリーな雰囲気が特徴です。
英語の投稿が中心ですが、日本語フォーラムも存在し、国内ユーザー同士の交流も活発です。
書籍や外部資料
FreeCADに関する解説書も出版されています。
これらは公式マニュアルの補完として、体系的に学びたい人におすすめです。
特に、建築設計やメカ設計など特定分野に焦点を当てた書籍は、実務に即したノウハウを得るのに役立ちます。
FreeCADのマニュアルやドキュメントを活用することで、ソフトウェアの潜在能力を最大限に引き出すことができます。
公式Wikiとフォーラムを併用しながら、自分の目的に合わせて学習を進めていくと、設計効率や表現力が大幅に向上するでしょう。
FreeCAD

起動したFreeCAD。

モジュラージャックのstpファイルを読み込んでみました。
今後の展望
FreeCADは現在も非常に活発に開発が進められており、世界中の開発者やユーザーコミュニティの意見を取り入れながら、日々進化を続けています。
新機能の追加やインターフェースの改善だけでなく、安定性の向上や処理速度の最適化にも注力しており、特に近年ではBIMワークベンチやFEM解析モジュールの強化などが行われています。
また、ユーザーのフィードバックを反映した細かな機能改善やバグ修正が頻繁に行われており、毎月のように開発フォーラムやGitHub上で更新情報が共有されています。
さらに、開発版を試すことも可能で、実験的な新機能をいち早く体験することができます。
ただし、開発版は安定版に比べて動作が不安定な場合があるため、テスト環境などで利用するのが望ましいでしょう。
まとめ
FreeCADは、オープンソースとは思えないほど多機能かつ自由度の高い3D-CADソフトです。
個人の学習用からプロの設計現場まで幅広く対応しており、商用利用も無料で可能です。
無料でありながら、他の高額なCADソフトに匹敵するほどの性能と柔軟性を備えており、3D設計の入門者が基本操作を学ぶのにも、プロのエンジニアが複雑な機構設計を行うのにも十分な機能を持っています。
また、FreeCADは単なるCADツールにとどまらず、Pythonスクリプトによる自動化、アドオン機能による拡張、オープンソースコミュニティによる継続的な改善といった点で、学習教材としても優れています。
設計データの再利用性や履歴管理がしやすく、設計変更にも柔軟に対応できるため、プロジェクトの効率化にもつながります。
さらに、建築、機械設計、電子部品設計、3Dプリントデータ作成など、さまざまな分野で活用が進んでおり、ユーザーが自分の目的に合わせて最適なワークベンチを選択できるのも魅力です。
公式フォーラムやWikiでは世界中のユーザーが情報を共有しており、学習やトラブルシューティングのサポート環境も充実しています。
これから3D設計を始めたい方、あるいは既存のCADツールの代替を検討している方は、ぜひ最新バージョン「FreeCAD 1.0.2」をダウンロードして、その進化した操作性と機能性を実際に体験してみてください。


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