プリント基板のレイアウト設計は、ただ部品を並べて配線するだけでは済まなくなっています。
特にUSBやDDR、PCIeといった高速信号を扱う場合、配線インピーダンスや差動配線の管理が欠かせません。
しかし、実際にシミュレーションを行い、波形を整える作業は一筋縄ではいきません。
知識や経験が足りないと、対策の方向すら見えなくなることもあります。
この記事では、私自身が解析やシミュレーションに取り組む中で感じた課題や学び、そしてこれからの設計者に必要とされるスキルについてお話しします。
高速信号線との関わりが増えてきた
最近では、USB規格やDDR3・DDR4、LAN、PCIeといった、配線インピーダンスをしっかり管理しなければならない信号線を扱うことが増えてきました。
時には、解析を自分で行いながらレイアウト設計を進めるケースもあります。
解析経験はまだ4件ほどで、初心者マークが付いているような状態です。
シミュレーション結果が悪い時の悩み
一番困るのは、シミュレーションで得られた波形が思うように出なかった時です。
回路に関する知識が十分でないため、どう手を加えれば波形が改善するのか分からないことがあります。
ネットで何度も検索しても答えが見つからない場合も少なくありません。
それでも、お手上げにするわけにはいかないので、何とか解決に向けて動くしかないのが解析の難しさです。
失敗した状態で基板を作ることはできません。必ず「これで大丈夫」と言える状態にしなければなりません。
デジタル回路の時代の変化
令和より前から感じていますが、デジタル回路は「つながっていれば動く」という時代ではなくなってきています。
特に100MHzを超えるあたりからは、注意が必要だと実感しています。まだまだノウハウ不足で、日々知識を蓄えている最中です。
ノウハウは姿勢次第で変わる
何事もそうですが、ノウハウは前向きな姿勢で取り組んだときにこそ身に付きます。
逆に、消極的な姿勢だと得られるものは少なくなります。
結局は、その人の取り組み方次第で、自分の知識にできるかどうかが変わります。
私は今、理解を深めようとしている真っ最中です。
学びのための自己投資
解析ソフトが付属したトランジスタ技術を読んでみたり、アマゾンで高速デジタル回路関連の本を自腹で購入して学んでいます。
もちろん、自腹なので内容を吟味してから購入します。
高速化とシミュレーションの重要性
高速化するほど、シミュレーションは必要になります。
差動配線やインピーダンスコントロールの理解に加え、シミュレーションの知識も必須になってきます。
プリント基板の設計ができるだけでは通用しない時代です。
提案できる設計者になるために
指示された配線幅や間隙値でただ設計するだけと、「ここはこうした方が良い」と提案できるのとでは、結果も信頼度も大きく違います。
提案できれば、設計者としての存在感も高まり、信頼も得られます。
そのためには知識が不可欠で、提案の質はこれまで培った経験とスキルに左右されます。
これから求められる設計者像
これからは、提案できるプリント基板レイアウト設計者が求められる時代になるでしょう。
高速信号線の配線を学ぶことは、他の設計者との差別化に直結します。
解析を行いながら高速信号の設計を制する人こそ、これから先も必要とされるはずです。
プライベートの時間を削るかどうかは本人次第ですが、前向きに高速回路を学んだ人は間違いなく突出していくと思います。
プリント基板設計に加えて、高速信号の知識を持っていることは、これからのレイアウト設計者にとって大きな武器になると断言します。
まとめ
高速信号線の設計は、単なる配線作業ではなく、解析やシミュレーション、そして提案力まで求められる時代になっています。
差動配線やインピーダンスコントロールなどの技術的理解に加え、自ら問題を見つけ、改善策を提示できることが設計者としての価値を高めます。
そのためには、日々の学びと自己投資が欠かせません。
前向きな姿勢で知識と経験を積み重ねていくことで、他の設計者との差別化が可能になります。
これから先、プリント基板設計の現場で求められるのは「高速信号の知識を持ち、提案できる設計者」です。
自分のスキルを武器にして、一歩先を行く存在を目指しましょう。
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