プリント基板の設計を行う傍らで、時々ですがSIシミュレーションを行う時があります。
SIシミュレーションは多くの数を経験している訳ではないので、毎回つまずきながら作業しています。
私もSIシミュレーションを自分で行うまでは、解析ボタンをポン!と押せば波形が見られると思っていました。
実際にSIシミュレーションを経験して、波形を見るまでには必要なデータを集めたり、データシートから部品の定格を把握したりという下準備が必要だという事がわかりました。
意外にかかるSIシミュレーションの前準備
私がSIシミュレーション時に行った下準備は下記です。
基板の層構成
SIシミュレーションを行うにあたり正確な波形を得る為に、実基板の層構成の正確なデータを入力する必要があります。
基板製造メーカーがわかっているのであれば、基板メーカーから入手出来ます。
基板のどんな情報が必要かというと、私が使用しているSIシミュレーションソフトの場合ですが、各層の銅箔厚、部品面・半田面、内層の銅箔の厚み、半田めっきの厚み、絶縁材の厚み、コア材の厚み等の情報になります。
レジストの厚みの情報が分かっているのであれば層構成に加えた方がより実基板に近くなると考えます。
注意が必要なのが部品面と半田面の銅箔圧です。
基板材料の銅箔の厚みの他にスルーホールを形成するためにめっき処理が施される時に配線パターンにもめっきがされて厚みが加算されます。
トータルの厚みより銅箔圧とめっき厚みで分けて層構成を構築する方がいいと考えます。
SIシミュレーションするネットの洗い出し
ネットとは、どの部品の何番ピンとどの部品の何番ピンが接続されます。とういう情報を持っています。
ネットの選定は、最初の頃は聞かなければどのネットがSIシミュレーションの対象なのかが分からなかったのですが、解析の回数を重ねると聞かなくても分かる様になってきます。
回路図を見てSIシミュレーション対象の信号名をリスト化します。
SIシミュレーションするネットに接続している部品の洗い出しとシミュレーションモデルの収集
ネットの洗い出しの時のリストに、SIシミュレーションするネットに接続するICも洗い出してリスト化します。
リスト化が出来たら該当ICのシミュレーションモデルとデータシートを収集します。
私がSIシミュレーションに使っているソフトではIBISフォーマットのシミュレーションモデルを使います。
ICのメーカーサイトにいき必要なモデルとデータシートを入手。
データシートは、ほぼメーカーサイトで入手出来ます。
どうしても手に入らない時は回路の開発者に依頼して入手する様にしています。
動作周波数の洗い出し
私はデータシートの読み方を把握していないので、動作周波数の設定が一番のネックになっています。
データシートを読めるようになればネックになる事もなくなるのでデータシートの読み方を把握することが私の課題。
私の使っているSIシミュレーションソフトで波形をとる場合、周波数を指定して波形を得ます。
周波数情報は、回路図に記載してある事も有るので回路図をしっかりとチェックしましょう。
回路図に記載が無ければ、開発元に聞きます。
過去に類似回路でSIシミュレーションをしている場合は過去の資料を参考にしたり踏襲したり出来るのですが、過去に使用例のない部品はデータシートとの睨めっこになります。
回路設計者に動作周波数は?と尋ねると教えてくれるのは基準周波数です。
そのままの周波数でSIシミュレーションを行うと、とても悪い波形になる事があります。
まとめ
執筆中です。少しお待ちください。
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