この記事では、AI PCについて紹介しています。
AI PCは、AI処理をローカルデバイスで実行することに焦点を当てており、クラウドよりもデバイス自体のプロセッサー(CPU、GPU、NPUなど)を利用します。AI PCはただのハードウェアの進化ではなく、それを活用するソフトウェアの開発が同時に進むことで、真の価値を発揮します。
AI PCとは
AI PCとは、従来のCPUやGPUに加えて、ニューラルプロセッシングユニット(NPU)を組み込むことでAI処理の速度を向上させたパーソナル・コンピュータのことです。このタイプのPCは、AIテクノロジーを内蔵したPCとしても知られており、Intelは2024年1月に第14世代のCoreプロセッサにNPUを初めて組み込むことを発表しました。
一般的なパソコンでは、AI関連の計算処理がCPUやGPUによって行われており、特に大規模なAIタスクはクラウドベースで処理され、その結果がPCで利用されるのが一般的でした。これにはインターネット経由でのデータのやり取りが伴い、通信の遅れが生じることがありました。
AI PCは、NPUを搭載することにより、従来のクラウドベースのAIから、デバイス自体で完結する形へと移行しています。これらの処理を大幅に速めることが可能となり、AIアプリケーションのパフォーマンスが向上します。
AI PCの条件
AI PCという用語は、特定の要件を満たすパソコンを指します。IntelとMicrosoftがこの基準を定めており、以下の特徴を備えたPCがAI PCとされています。
CPU、GPUに加えて、NPUを装備していること
今までの通常のPCはCPU(Central Processing Unit)とGPU(Graphics Processing Unit)を含みます。CPUは全体の処理を指揮するコアコンポーネントです。GPUは主に画像やビデオの処理を担います。
AI PCに必要なNPU(Neural Processing Unit)は、AIタスクの処理速度を大幅に向上させる専用の部品です。AIの計算処理に必要な膨大な処理能力を提供し、従来のPCよりも迅速な処理が可能です。
Windows Copilotに対応していること
Windows Copilotは、Windows 11に搭載されたAIアシスタント機能で、翻訳や画像生成、タスク管理などを音声操作で実行できます。この機能を利用することで、作業効率が向上します。
Copilotキーが組み込まれていること
Copilotキーは、Windows 11のキーボードに新たに追加された機能で、このキーを使用することで簡単にCopilotを起動できます。特にAIアシスタントを頻繁に使用するユーザーに便利な機能です。キーを長押しすることで音声認識が開始される設計になっています。
AI PCでできること
AI PCは、従来のPCとは一線を画す革新的な技術を採用した新世代のパソコンです。AIを活用することで、以前は難しいとされたタスクも簡単に処理できるようになり、ユーザーの創造力や生産力を大きく向上させることができます。
ここではAI PCが実現する主な機能について詳しく説明します。
エッジAIの利用が可能
これまでAIモデルのトレーニングはクラウドを通じて行われてきましたが、AIの活用が進むにつれてデータの量やクラウド通信の頻度が増加し、これが原因で通信遅延やレスポンスの低下、コストの増加といった問題が生じていました。AI PCではエッジAIを利用することで、これらの問題を回避し、効率的な作業が可能になります。
エッジAIはデバイス内部に組み込まれたAIで、デバイス自身がデータを処理するため、迅速に結果を得ることができます。
個々のユーザーに合わせたパーソナライズが実現
ユーザーの生成したデータやインターネットの閲覧履歴など、個人的な情報がPCに蓄積されます。この情報を基にAIが学習を行うことで、個々のユーザーに最適化された使用環境を提供することが可能です。
ビジネス用途においても、将来的にはほとんどのPCがAI PCに置き換わることが期待されています。
まとめ
AI PCという新たなカテゴリーのPCですが、将来的に多くのAI機能を搭載したPCが市場に登場し、それによってユーザーの日常のコンピューティング体験が根本的に変わるのではないでしょうか。
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