「ガーバーデータ一式をください」と言われて、何を渡せばよいか迷ったことはありませんか。
本記事では、基板設計者が提出すべきデータ一式の範囲を整理します。
出力漏れやPTH/NPTH指定ミスを防ぐための実務整理記事です。
ガーバーデータ一式とは?
ガーバーデータ一式とは、基板製造に必要な加工データを揃えたセットを指します。
単一ファイルではありません。
レイヤーごとに分かれた複数のガーバーと、ドリルデータ、関連図面をまとめたものです。
必須ガーバーデータ(基本構成)
① 銅層(Copper Layer)
- トップ銅層
- ボトム銅層
- 内層(多層基板の場合)
② ソルダーマスク(Solder Mask)
- トップ
- ボトム
ソルダーマスクは、レジストと呼ばれています。
③ シルク(Silkscreen)
- 部品番号
- 文字
- マーク
シルクは実装面に応じて出力する
- 両面実装 → 両面出力
- 片面中心 → 実装面のみの場合あり
裏面部品は、点線表示などで区別する設計ルールを採用することもあります。
④ メタルマスク(Metal Mask)
SMT実装がある場合に出力します。
⑤ ドリルデータ(Excellon)
- 部品スルーホール
- 貫通ビア
- ノンスルーホール
PTH/NPTHは分けて出力する
- PTH:めっきあり(電気的接続あり)
- NPTH:めっきなし(機械穴など)
製造工程が異なるため、分離出力が基本です。
ガーバー仕様は
Ucamco
が管理しています。
実装用部品座標データ
ガーバーとは別に、実装用の部品座標データを出力します。
- X・Y座標
- 回転角度
- 部品番号
- 実装面情報
図面類(設計側で用意するもの)
■ 各ガーバーのモニタ図
出力確認用のPDFです。
■ 穴図
- 仕上がり穴径
- PTH/NPTH区分
- 穴数
ドリル意図の明示が目的です。
■ 基板外形図
提出データには、外形寸法図を含めます。
外形寸法図には、加工に必要な形状情報を記載します。
- 外形寸法(X・Y)
- 角R または 角C
- スリット
- 取付穴位置寸法
- ミシン目
提出最終チェックリスト(設計者視点)
□ 銅層全層あり
□ ソルダーマスクあり
□ シルクあり
□ メタルマスクあり(必要な場合)
□ PTH/NPTH分離ドリル
□ 部品座標データ
□ モニタ図
□ 穴図
□ 外形寸法図
FAQ|ガーバーデータ一式のよくある質問
Q1. ガーバーデータ一式とは、ガーバーファイルだけを指しますか?
A. いいえ。
銅層・レジスト・シルクなどのガーバーに加えて、
- ドリルデータ
- 部品座標データ
- モニタ図
- 穴図
- 外形寸法図
を含めた提出データ一式を指します。
Q2. ドリルデータは1つでよいですか?
A. PTHとNPTHは分けて出力するのが基本です。
- PTH:めっきあり(電気的接続あり)
- NPTH:めっきなし(機械穴など)
工程が異なるため、分離出力します。
Q3. ビアはスルーホールとして扱われますか?
A. 貫通ビアはPTHとして扱われます。
部品スルーホールと同じく、めっき穴としてドリルデータに出力されます。
Q4. シルクは必ず両面必要ですか?
A. 実装面に応じます。
- 両面実装 → 両面出力
- 片面中心 → 実装面のみ
裏面部品がある場合は、点線表示などで区別することもあります。
Q5. メタルマスクデータは必須ですか?
A. SMT実装がある場合は必須です。
はんだペースト印刷用データになります。
Q6. 外形寸法図には何を記載しますか?
A. 加工に必要な形状情報を記載します。
- 外形寸法
- 角R または 角C
- スリット
- 取付穴位置寸法
- ミシン目
Q7. 部品座標データはガーバーに含まれますか?
A. 含まれません。
実装用データとして別途出力します。
Q8. 提出前に最も重要な確認事項は?
A. 出力漏れがないことを確認することです。
特に、
- 内層出力忘れ
- ドリル分離忘れ
- メタルマスク漏れ
は発生しやすい項目です。
まとめ
ガーバーデータ一式とは、
- 加工データ(Gerber)
- ドリルデータ
- 実装データ
- 加工確認図
これらを揃えることです。
設計意図を正しく定義したデータを提出することが、基板設計者の役割です。


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