「ガーバーデータって何を出力すればいいの?」
「RS-274Xを選べばいいの?」
「拡張子はgbrでないとダメ?」
ガーバーデータは、基板設計から製造へ渡す最重要データです。
本記事では、ガーバーデータの出力・フォーマット・拡張子・確認方法までを整理します。
設計から提出まで迷わないための総合ガイドです。
まず押さえるべきポイント
- フォーマットは RS-274X(拡張ガーバー)
- 拡張子は CADのデフォルトで問題なし
- 必須レイヤーを漏れなく出力する
- 出力後は必ずビューアで確認する
この基本を押さえておけば、大きなトラブルは防げます。
ガーバーデータとは
ガーバーデータとは、基板を製造するための加工指示データです。
- 銅を残す部分
- 穴を開ける位置
- レジスト開口
- シルク表示
- メタルマスクの開口
これらをレイヤーごとに定義します。
基板設計CADのネイティブデータを、そのまま製造へ渡すことはありません。
製造用フォーマットに変換したものがガーバーデータです。
設計フローの中での位置づけ
回路図設計
↓
PCBレイアウト
↓
DRCチェック
↓
ガーバー出力
↓
ビューア確認
↓
製造提出
ガーバー出力は「設計完了」ではなく、
製造前の最終定義工程です。
ガーバーフォーマット
RS-274D(旧形式)
- アパーチャ情報が別管理
- 現在はほぼ使用されない
RS-274X(現在の主流)
- 情報が1ファイルにまとまる
- 製造側で扱いやすい
特別な指定がなければRS-274Xを使用します。
ガーバー仕様は
Ucamco
が管理しています。
拡張規格 X2 / X3
- X2:穴やパッド属性を含められる
- X3:部品情報まで含められる
ただし、すべての製造工場が対応しているわけではありません。
通常はRS-274Xで十分です。
ガーバーの拡張子について
拡張子は固定ではありません。
例:
- .gtl(トップ銅層)
- .gbl(ボトム銅層)
- .gts(トップレジスト)
- .gto(トップシルク)
- .drl(ドリル)
重要なのは拡張子ではなく、中身が正しいことです。
ガーバーデータの確認方法
出力後は必ず確認します。
ビューア例
KiCad
無料でGerber確認が可能。
Altium Designer
実務レベルのCAM確認が可能。
確認項目
- レイヤー漏れなし
- ドリル位置確認
- 単位一致
- レジスト開口確認
- シルク重なり確認
よくあるトラブル
- ドリル出力忘れ
- 内層漏れ
- PTH/NPTH混在
- 単位ミス
- メタルマスク漏れ
出力後の確認が重要です。
関連記事
- ガーバーデータ一式とは?提出ファイル完全整理
- ドリルデータ(Excellon)の基礎
- Gerber RS-274XとX2の違い
- ガーバー出力後のチェック手順
FAQ|ガーバーデータ一式のよくある質問
Q1. ガーバーデータ一式とは、何ファイルくらいになりますか?
A. 両面基板で6〜8ファイル、多層基板では10ファイル以上になることが一般的です。
銅層数が増えるほどファイル数も増えます。
Q2. ドリルデータは必ず別ファイルになりますか?
A. はい、通常は別ファイル(.drl)で出力します。
銅層ガーバーには穴情報は含まれません。
Q3. PTHとNPTHは分けて出力する必要がありますか?
A. 分離出力が基本です。
- PTH:めっきあり(電気的接続あり)
- NPTH:めっきなし(機械穴など)
工程が異なるため、ドリルデータは分けるのが一般的です。
Q4. ビアはスルーホールと同じ扱いですか?
A. 貫通ビアは同じ扱いです。
部品スルーホールと同様に、めっき穴として出力されます。
Q5. シルクは必ず両面必要ですか?
A. 部品実装面に応じます。
- 両面実装 → 両面シルク
- 片面実装中心 → 片面のみの場合あり
裏面部品は点線表示などで区別する設計ルールを採用することもあります。
Q6. 外形は銅層に含めても良いですか?
A. 可能ですが、外形専用レイヤーで出力する方が安全です。
製造側で誤解を防ぐため、明確な外形レイヤーを推奨します。
Q7. メタルマスクは必須ですか?
A. SMT実装がある場合は必須です。
クリームはんだ印刷用データになります。
Q8. 提出時はどうまとめれば良いですか?
A. 必要ファイルのみをまとめてzip圧縮します。
- 不要ログは削除
- 基板名+Rev付きファイル名にすると管理しやすいです。
Q9. 面付けデータと単体データはどちらを提出しますか?
A. 製造仕様に合わせます。
単体か面付け済みかを明確にし、混在させないことが重要です。
Q10. 提出前に必ず確認すべきことは?
A. CADの検証機能があれば活用し、無い場合はビューアで全レイヤーを取り込み見やすい重ね合わせを用いて確認します。ドリルデータはツールリストと穴図の内容が合っているかを確認します。
- レイヤー漏れなし
- PTH/NPTH分離確認
- ドリル位置確認
- 単位整合
まとめ
ガーバーデータは、
- 正しいフォーマットで出力する
- 必要レイヤーを揃える
- 出力後に確認する
この3点が基本です。
設計と製造をつなぐデータとして、
正しく定義することが重要です。


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