基板設計で一番怖いのは、
「意図していない変更」です。
動作実績のある基板を微修正する場合、
変更箇所以外は絶対に変えたくありません。
しかし、CAD操作にはヒューマンエラーが付きまといます。
・拡大表示のつもりが部品やビアをわずかに動かしてしまう
・設計ルール上エラーにならない変更が紛れ込む
・気づかないまま保存してしまう
こうした変更は、後工程で問題になる可能性があります。
私は基板設計業務で20年以上PloCompを使っています。
現在は主にPDF図面の差分確認専用ツールとして使用しています。
※本記事は、基板設計図面のPDF差分確認用途に限定した内容です。一般文書のPDF比較については検証していません。
なぜ基板設計ではPDF差分確認が必要なのか
CAD上でも比較は可能です。
しかし、全員がCADを操作できるわけではありません。
製造部門、品質保証、営業との共有では
PDF図面のほうが圧倒的に分かりやすい。
そこで重要になるのが、
変更前後のPDF図面を重ねて差分を可視化すること
です。
差分が色分けされていれば、
・どこが変わったのか
・意図しない変更がないか
・説明が必要な箇所はどこか
が一目でわかります。
PloCompでPDF図面を色分け比較する方法
私が行っている手順はシンプルです。
- 変更前のPDFを読み込む
- 変更後のPDFを別レイヤーで色違い表示で読み込む
- 重ね表示する
これだけで、変更箇所が色違いで浮き上がります。
目視で1本1本トレースを確認するより、
圧倒的に効率が良いです。
原点が違っても問題ない
図面によっては原点が異なっている場合があります。
PloCompには計測機能があり、
ズレ量を確認して数値入力することで正確に位置合わせが可能です。
これにより、
正確な差分PDFを作成できます。
差分状態のままPDF出力できる
重ね表示した状態でそのままPDF出力が可能です。
つまり、
・変更点が色分けされた
・誰でも分かる
・共有しやすい
差分図面をそのまま配布できます。
私は要望があったときにのみ作成していますが、
確認作業の安心感は非常に大きいです。
差分確認をしない場合のリスク
CAD上で問題が出なかったとしても、
・微妙なビア位置ズレ
・意図しない配線変更
・シルクの軽微な移動
これらはエラーにならず、そのまま製造に回る可能性があります。
修正基板の再製作になれば、
コストも納期も大きな損失になります。
だからこそ、
最終確認としてのPDF差分確認は意味があります。
20年使い続けている理由
導入当初はHPGLをPDFへ変換する目的でした。
現在はHPGLを扱う機会はほとんどありません。
それでもPloCompを手元に残している理由は一つです。
差分確認が確実にできるから。
毎日使うソフトではありません。
しかし、必要なときに確実に仕事をしてくれる。
これが20年使い続けている理由です。
まとめ
基板設計では、
「意図していない変更を防ぐ」ことが重要です。
CADだけに頼らず、
変更前後のPDF図面を比較し、差分を可視化する。
その手段として、PloCompは非常に有効です。
基板設計においてPDF差分確認を行いたい方は、
一度試してみる価値はあります。


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